
>ボツちゃん、秘密の扉たくさん持ってるから
>カナユニの鍵でちょっと開けて覗いて見たいです。
>でも鍵いっぱい必要そうだからマスターキーほしいな~。
こんな思わせぶりな一通の電報が届いたのは、
東京にようやく初雪が舞い降りた丑三つ時でした。。
「カナユニ」は三島由紀夫を始めとした文豪や
粋な大人達がこよなく愛した
1966年創業の伝説のレストラン。
この店の歴史は最先端の歴史と語り継がれるように、
サングリアやエスプレッソ、キールを日本で初めて紹介し、
1980年に特許出願した「タルタルステーキ」や
とろけるフィレのオープンサンド
「サンビッツ」など
数々の名物が訪れる人を虜にして止まない
魔法の鍵を持ったレストランなのです。
不思議な店名は「かなりユニーク」の略という
かなり安易な名付け。
むしろ「カナアン」でもよかったくらいです。
ううむ。。秘密の扉。。?
ボツちゃんは秘密の店で秘め事は大好きだけど、
全部ボツスタでネタばらしちゃう反秘密主義なのに。。
マスターキーどころか鍵もかけてないのに
誰も空き巣に入ってこないし。。(悲)
あまりにもオープン過ぎると罠があるかも、って
かえって警戒してしまうのだろうか?
よし。
それならその「カナユニ」の鍵とやらで
ボツちゃんの貞操の扉も全開にしていただこうじゃないの。
バレンタインのお返しも兼ねて
いざ、「ホワイトデート」じゃぁ~~~!
そう誓うと、
しんしんとした夜空に一瞬スターダストが煌めき、
ドテラ1枚で電報を握りしめたボツちゃんは
大きく武者震いするのでした。
「ぶるぶる。。カナサム~~~~~!!」
さて、懸命なる諸君は、
2/14が近づくといつも大騒ぎするボツちゃんが、
今年は3月になってもネタをアップしないから、
とうとうチョコもらえなかったと思ってたでしょ?
実は今年は休日にあたってたので、
会社帰りに手ぶらで恥ずかしい思いを
しなくてすむからホッとしてたんです。
中学の卒業記念に
学生服のボタンを女子からひとつも
引きちぎられずに帰宅するのに似た
あの屈辱感を今年は味わわなくてすむんだ。。と。
。。ところが!
ニャンと2/14に仕事でファッションショーの
イベント立合いがスパイラルであると言う。。!?
「バレンタイン・ラブラブサミット」だぁ~?
。。こ、こりはまずい。。
愛の聖地からいい年した男一人が
手ぶらで帰宅するのは、いいさらし者だ。。
ああ、神はなんという試練を与え賜うたのだ?!
こうなったら改宗しかない。。
あるときは仏教徒、
あるときはクリスチャン、
そして今回は回教徒に扮するボツちゃん。
これなら宗教上の理由ということで
チョコ持ってなくても疑われんだろ。。

ということでイベントの後に
ここ、神泉の
「dame Jeanne(ダム ジャンヌ)」に
潜伏を試みることになりました。。


この薄暗い穴蔵は、
まるでアルカイダのアジト風。。
突然、となりの人が自爆しやしまいかとヒヤヒヤしながら、
頼んだ料理はこちら。
蛤のブルギニヨン

飴色に炒められた玉ねぎとアンチョビがのった、
チーズなしのピッツア。

ここ神泉はすぐ裏が円山町という便利すぎる町。
便利過ぎていかにも下心がシースルー。。
うぶなボツちゃんは無関心を装って
不覚にも別邸を通り過ぎてしまいました。。
「こんなラブホ街に実は大人しか知らないBARがあるんだ。」
(しまった。心にもないことを。。)
「Le Zinc(ル・ザンク)」は
シャルトリューズをじっくり楽しめる落ち着いた店。
リキュールの女王と言われる
薬草系のディジェスティフが秀逸なバーです。
「ジェネッピ」を小指をたてていただきました。。
(おい、気取ってる場合じゃないだろ?)

こうした敬虔な姿勢に
信仰心の厚い彼女はすっかり絆され、
ついボツちゃんにもショコラを恵んで下さったのでした!

そして、3月。。
ちと早いホワイトデーがやって来ました。。

元赤坂にあるカナユニは、
もう40年以上もずっとそこにあるのに、
近くの人にも知られることなく、
いくつもの素敵な夜を演出して来ました。
当時の夜遊びものたちがやがて子供を連れて、
そして彼らが大人になったとき、
今度はその子供を連れて。。。と
何世代にも愛されて来たカナユニ。
カナユニはいつ誰が来てもカナユニとして、そこにある。。


「おかえりなさいませ。
外は寒かったでしょう。。?」
白髪のダンディーな爺やが
あたたかく迎え入れてくれます。。
連れのコートを手馴れた手つきで脱がし、
いつの間にか自分が羽織っているという凝りようです。。
メニューには小洒落た虫メガネがついており、
ところどころ焦げて穴が開いていたり、
ユニークなネーミングで料理を紹介するなど、
お茶目な遊び心にコボツちゃんもすっかり弛緩モードです。

まずは
本家本元のサングリアを。。
「先日は、お客様全員がサングリアを注文なさいましたよ。」
それもそのはず、このサングリアは甘さ抑え目の
非常に大人なサングリアで、
何気にサングラスをかけながらグラスに注ぐなど
とにかく芸が細かいサングリアなんです。。
「乾杯~!」しようとすると、
次々に爺やが現れては変な漆器を置いて去っていきます。。
「これは知り合いがろくろで焼いたものなんですが、
これにサングリアをついで楽しまれるお客様も多いんですよ。
ほら、器の内側が赤茶けているでしょう。。?」
なるほど。。
このお店は、場所といい、客層といい、雰囲気といい、
一見さんは確実にビビるほど常連然としたイメージがあるのですが、
ここには既成のお決まりなるものがないようなんです。
洋も和もないし、おいしいものをお客様が一番おいしいと思う
食べ方で供してくれる。。
常連さんも一見さんもなく、
自分の好きなようにくつろいでくれれば。。という
もてなしの心遣いが徹底しているんです。
さて、かの三島由紀夫がこよなく愛したという
定番の「オニオングラタンスープ」を。。
ひとりカウンターで
セコくオニオングラタンスープのみを頼んでは
舌をやけどして高くつく。。を繰り返したという、
伝説のスープです。

これは、うまい!
どううまいか、といわれても困るけど、
なんか三島由紀夫の味がします。

続いて「ウニの共殻焼き」。
なんとも表現できない強烈なにおいがします。
強いてたとえれば、
なんか三島由紀夫のにおいがします。

さらに、特許申請時に東京特許許可局の職員さんに
判官贔屓を期待してふるまったと思われる
「タルタルステーキ」。
タルタル使いの若き名手が、
手際よく生肉をフォークでこね回していきます。
それにも増してこのイケメンにいさんの
軽妙なトークもお見事です。
我々を飽きさせない。。
さながらスーパーの実演販売の様相です。
向こうのテーブルでは我々より先に
タルタルをこね回していたはずの爺やが、
我々が食べ終わってもまだこね回し続けています。
もう一度見やると、
必死にしがみつく爺やの両脇を
別の給仕が抱きかかえ、とうとう
厨房に引きずり降ろされていく場面を目撃。
さっきのイケメンにいさんに交代し、
あっという間にお客さんにふるまっていました。

最後に
「ビーフピラフ」をいただき、
いい塩梅におなかも満たされ、大満足。。
そろそろ次の展開に持ち込もうと
計算高いボツちゃんはお会計に打って出ました。
手を挙げると、
またしてもイケメンにいさんがジグザグ走行で
岡持ち片手に軽快に登場してきました。
「これ、な~んだ?」
「。。。?
お会計でしょ。。?」
「ブー・・」
確かにどう見てもケーキです。
「。。当店自慢のデザートには
このほかクレープシュゼットや。。」
。。おいおい、
とぼけたにいさんだニャ~。。
「おいしそうだけど、
私、もうはいんない~。。」
「かしこまりました。。
ではとっておきのお会計をお出ししましょう!」
しまいにはサーカスよろしく
大玉に乗って伝票を運んできそうな展開です。
カナユニをカナユニたらしめているのは、
実はこのようにお店の方たちが
一緒に遊んでくれるところにあったのかもしれません。。
誰もが対等に楽しめるチャーミングな玉手箱。
時代がどんなに生き急いでも、
カナユニは永遠にそのアナログ盤を
45回転のまま回し続けるのでしょう。
きっちりと調律しながら。。。
よし、いい雰囲気だ。
今日は、イケる!
しかし、ここ赤坂は
手軽な別邸がないのがタマに傷。
ところがニャんと、
我が社の福利厚生の一環として、
21:00以降なら社員証でANAインターコンチに
11,650円(税サ含)ぽっきりで泊まれる
契約を最近結んだとの情報が。。。
おまけに親切にも2名でもOKとのただし書き付。
おいおい、こりゃ社をあげてラブホ使い推奨じゃないの。。
やるな、我が社。。
じゃ、早速。。
「もしもし。○○社の社員ですが、
アフターナインプランを利用差し上げようと思って。。」
「あいにく御社の社員ですでに満室でございます。」
ドッヒャラピーーーーーーーーーーーン?!
さすが、我が社員たち。。
このさい、相部屋でもいいんだけどニャ~。。(ポカ!)

というわで、ひさびさに
表参道は
「copon norp 離れ」へ。。

ううむ。相変わらず使える。
これだけのグレードの空間をドリンク1杯ずつで二人占め。
ご用の際はブザーでお呼び出しください、と
3階のメインレストランに引っ込んでくれます。

よっしゃぁ!
お膳立ては整いました!
では、
いっただっきま~す!
グヒヒ。。普通のレストランで、
こんな秘め事が行われようとは、
copon norp様もわかるまい。
「シッ。
今、足音が聞こえなかった。。?」
「!ま、マジョ~?」
おそるおそる扉を開けると。。
「。。ハイ?
ご用命でしょうか?」
い、いたーーーーーーーーーーーーー?!
従業員がいたーーーーーーーーーーー?!
どーして?どーして?
システムが変わったの???
「。。あ、あのト、トイレに。。(汗)」
「そちらつきあたりでございます。」
。。わ、わかってるって。。
おっかしーなー、なんで部屋のまん前にいつまでもいるんだよ!
。。ウ。。!
し、しまった!?
トイレ入ったら条件反射的に
思わず自分でしちまったじゃないキャ!!(涙)
トイレから出ると。。
あり?いつの間にか従業員がいなくなってる。。?
。。なんだよ、なんだよ。おどかしやがって。。
そうだろ?そーこなくっちゃ。。
いそいそと部屋に戻り、
扉を閉めると。。。
では、
いっただっきま~す!
「シッ。
今、足音が聞こえなかった。。?」
「!ま、マジョ~?」
おそるおそる扉を開けると。。
あり?
誰も、いにゃい。。
。。ホ。
今度は気のせいだったようだ。。
では、
いっただっきま~す!
「シッ。
また、足音が聞こえなかった。。?」
「!ま、マジョ~?」
ひぇ~。。
脱いだり履いたりくそ忙しい店だニャ~。
(。。って、おい、ここはそもそも普通のレストランだろ?)
。。ホ。誰もイニャイ。。
また気のせいか。。
では。。
ウ~、スリル有り過ぎかも~!!
あっというまに行き急いだボツちゃん。
「シッ。
また、足音が聞こえなかった。。?」
「ハハハ。。
気のせいに決まってるやんけ~。
ほれ。」
(ガラ。)
「お疲れ様でした。。」
で、出たーーーーーーーーーーーーーーー!!
従業員が出たーーーーーーーーーーー?!
。。し、しかし、
お、お疲れ様。。って。。
!!
か、カメラ回ってる?!
カナヤバーーーーーーーーーー!!
ボツちゃん度:100。